コダックブローニー単玉レンズ

ライツタンバールの世界を楽しむ



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Elmar 90mmF4の鏡胴を借用




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VIOOH、イマレクト
 ベストポケットコダック(VPK)のフードを外すと美しいフレアのソフトフォーカス効果が得られることはよく知られている。「ベス単フード外し」と呼ばれ、今でも多くの愛好家が芸術写真を楽しんでいる。コダックの一連のブローニーカメラに付いている単玉レンズもVPK同様の滑らかなソフト効果が得られることがある。マニアの間では「ブロ単」と呼ばれ中判でのソフトフォーカスを楽しんでいる向きも多い。

 コダックブローニーの単玉レンズは焦点距離が110〜120mmのものが多く、中判カメラ用のソフトレンズとしてはちょうど手ごろな焦点距離である。開放F値がF8〜F11とやや暗く、引伸率の低い中判ではフレアの出方に不満が残るのはやむを得ない。コダックのジャンクになった蛇腹カメラを買ってはバラし、レンズを取り出してテストしてみる、殆どビョーキの世界である。

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 この手のレンズは一眼レフに付けてソフト効果を確かめながら撮るのがベストと言われている。しかし、実際に撮ってみるとピント合わせは簡単ではない。ピントが行ったり来たり、そのうちに「どこがベストのピント」だか分からなくなってしまう、目の疲れること甚だしい。それならいっそのことレンジファンダーにした方が迷わないで済む。そう思って探し当てたのが、この90mmF6.0の単玉レンズである。探し当てたといってもジャンクの玉だけが転がり込んできたもので、どんなカメラに付いていたのかは定かでない。造りからみてどうも1900年代初めコダックのものらしい。長い間その存在すら忘れていたレンズである。あるとき焦点距離を測ってみたら90mm近くであることがわかった。

 90mmならライツエルマー9cmのヘリコイドがそのまゝ使えるではないか。だとすればスクリューマウントライカでソフトフォーカスが楽しめる筈だ。もちろん、ブロ単を付けても頭をすげ替えるだけなのでエルマー9cmも健在、鏡胴を借用するだけですむ。このブロ単レンズは6x9cmを十分カバーする実力(イメージサークル)を持っているので中心のおいしい部分だけを頂くのは少し贅沢かもしれない。

 90mmレンズ用のファインダーは、「正像ビドム」と呼ばれるライツのユニバーサルファインダーが使いやすい(VIOOH、イマレクト)。このファインダーはパララックスの補正もあり比較的正確な視野が得られるので愛用している。このブロ単レンズには絞りがなく屋外の撮影では、F6.0の開放だけでは如何にも苦しく8倍のNDフィルターを併用することが多い。

 ここまできて思い出すのはタンバール90mmF2.2である。ライツ唯一のポートレートレンズであるが数が少なく高価でそう簡単には手に入らない。

 今は写真を撮ってあげてもさほど喜ばれない。カメラが氾濫しているからだ。ブロ単で撮った写真は今でも間違いなく美人に喜ばれることを日常経験している。


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【作 例 1】 90mm F6 単玉レンズ 開放 1/30sec AGFA APX 25
       ライカD3に付けて撮影
Sample Photo

作 例 2
作 例 3

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