フラッシュ撮影



いろいろなフラッシュバルブ

 フラッシュバルブ撮影は懐古趣味ではない。フラッシュバルブはガイドナンバーが大きく集合写真のように絞って撮る必要があるときに有効な発光器である。またストロボほど影がきつくなく、人物の表情も柔らかく写る特徴をもっている。携帯用のストロボはガイドナンバーが小さく、大きく絞り込むことができないのでできた写真はどうしても甘い描写になってしまう。

 ストロボがポピュラーでなかった時代には種々のフラッシュバッルブが販売されていた。最も大きい普通の電球の形のものをエジソンベースと呼び、ブレスB級のような豆球タイプをスワンベースと呼んでいた。一番小さいのがピーナッツである。一個で4発焚けるフラッシュキューブ(上列の一番右)というのもある。写真左の長方形のものはフラッシュバーと呼ばれ特定の機種(カメラ)用に販売されていたもので一個で10回の発光ができる。一世を風靡したインスタントカメラ・ポラロイドSX-70用に使われていたのでご記憶の方も多いだろう。当時のフラッシュバルブの値段は種類によって異なるが、単価は発光1回当たり100円以上かかる高いものだった。
 次の写真はバルブの大きさを比較したものである。左から、5、5B、22Bと50Bである。



 写真のスピグラには特大の50Bフラッシュバルブが付いているが、いつもこんな化け物を使っているわけではない。というより一度も焚いたことがない。よく使うのは今でも市販されている5BやプレスB級と呼ばれるスワンベースものである。この小さな球でもガイドナンバーはISO100で64以上あり小型ストロボの比ではない。64というガイドナンバーは、5メートルの距離でF11以上に絞ることができる。ちょっとしたスナップには、プレスB級では明るすぎるので写真右下のようなピーナッツパルブをアタッチメントを介して使うこともある。

 一般にフラッシュバルブは3-125ボルトの直流または交流をかけると簡単に発光させることができる。そのため何らかの電気配線が必要で、まだホットシューになっていないカメラが多く発行器にはコードがつきものだった。フラッシュバルブは最初に電圧がかかって、発光のピークの光量が得られるまでに若干のタイムラグがあるため、撮影には1/25秒以下のスロースピードを使うのが望ましい。高速にすると十分な光量が得られないこともある。発光器(フラッシュガン)には電池が必要で、スピグラなどの大型ガンは単一乾電池(2〜3個)、小型ガンは電圧の高い積層乾電池が使われていた。バルブの色が青っぽいのがデイライトカラー用、無色透明のものが白黒用である。白黒用でカラー撮影するとほんの少し黄色みを帯びる。

 写真のスピグラには巨大なガンがついている。筒には単一電池が3個が入る。この電池はバルブ発光だけでなくソレノイドによるシャッターリリースの電源も兼ねている。配線は複雑であるがガンの後にある赤いボタンを押すだけでシャッターがリリースされ、バルブ発光に同調する。スピグラはガンをつけるとホールドが大変良くなり、ワンタッチで着脱できるようになっている。
 ライカの写真はIIIfに専用のフラッシュガン(CHICO)を付けたところ。下のプラスチックのブラケットがあるとノーコード接続ができる。付いているバルブはプレスB級。ライカはCHICO以外にもエジソンベースのバルブも使える大型のCEYOOというガンも販売していた。

Penuts Bulb Adapter  フラッシュガンで撮影してみるとパワーが有り過ぎて困ることがある。こんな時は少しガイドナンバーの小さいピーナッツバルブを使う。それでも、例えばAG-3という球はISO100のときのガイドナンバーが48もある。F8で6メートルまで届くことになる。
 写真は使い終わったスワン球のベースにピーナッツソケットを接着材で取り付けたものである。ひとつ作っておくとピーナッツ専用ガンがなくてもスワンベースのガンが使えるので便利である。
 この時切り取ったブルーの球の部分(ビニール)は捨てずに取っておく。AG-1やAG-3はモノクロ用なのでこれを被せて焚くと光量は1絞りくらいロスするがカラー用として使える。

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