テレスコーピック・グラフレックスは1912年に発売されたモデルである。8インチクラスのレンズが付く4x5インチ用の一眼レフである。4x5インチの一眼レフとはどういうものか。 この種の大型一眼レフは現在市場にはないのでイメージしにくいが、原理は今の一眼レフと変わるところはない。レンズから入ってくる光をミラーで反射させてピントグラスに導き、撮影の瞬間にミラーが跳ねあがってフォーカルプレーンが走る、いわゆる一眼レフの一連の動作は遥か昔の1901年にこのカメラの前身である「グラフレックスカメラ」で完成されている。 写真上はベリート83/4inchレンズを付けたもの。このレンズは大正時代から昭和初期に人像用として活躍したポートレート専用レンズである。ペースメーカー(スピグラ)に付けると1メートルまで寄ることができ、しかもレンズを付けたまゝ蓋をしめることができる。220mmF4のレンズにしてはコンパクトである。作例には画面左に黒い三日月が写っているが、これはグラフマチックフィルムホルダー(Grafmatic Film Holder)の特徴で、写りこみのフィルムカウンターである。
その他、このテレグラフレックスにはテレコンゴー400mmF8(写真下)を付けることができる。テレタイプ構成であるためバックフォーカスが209.8mmと短くちょうどこのカメラのフォーカシング域に入っている。このレンズ付けた場合約2.5メートルから∞までのフォーカスが可能で十分実用になる。このレンズはコンパクトながらシャープで色再現も優秀である。今でも新品で購入でき低価格なところが嬉しい。
このカメラの後部のグラフレックスバックは現在の4x5用バックアクセサリーが使えないため、グラフレックス社が部品として戦後に別売していたグラフロックバック部品に交換して4x5撮影を可能にしている。ピントフードを広げた全体の高さは約44cmあり、三脚に付けるとやけに撮影のし難いカメラである。腹に抱え込んで撮影するのがベストだ。 |
