ライカIII型(日本名D3)は1933年に発表され1939年まで製造された比較的数の多いモデルである。スクリューマウント(バルナック型)ライカと呼ばれる一連の人気機種の基本になったカメラでもある。
前年に発売されたライカII型で既にレンズ交換と距離計連動は可能になっていたが、このIII型で初めて、多くのライカユーザーが嘱望していたスローシャッターが追加され小型精密カメラとしてのライカの名声をゆるぎないものにしたのである。
このIII型から距離計に倍率(1.5倍)がかゝり測距精度が向上した。両サイドにストラップ取付け用のアイレット金具も付けられた。これは小さな改良のようであるが実写時の操作性に大きく貢献している。III型は現在使っても十分実用に耐える機種である。
シャッタースピードの最高速度が1/500秒まで、シンクロ装置がない、の2点を除けば日常の撮影に必要な機能はこのライカIII型ですべて完備されている。ボディは戦後の人気機種IIICやIIIFと比べて上下左右とも2.8mm小さく、数字の差以上にコンパクトさを感じさせるモデルである。今でも写真が撮れる最も古いライカは1925年に発売されたA型だろう。以後、M3が発売されるまでのバルナック型ライカのスペックをまとめたのが 旧ライカ比較表 である。
スクリューマウントライカにはいろいろなアクセサリーが用意されていた。中には凝ったものもあり今見ても実用性の高いものが多い。
黒塗り仕上げのライカIII型にはニッケル仕上げのレンズがよく似合う。コンパクトなボディにエルマーなどの沈鏡胴レンズを装着したライカは携帯性にも優れている。たゞ、内蔵のビューファンダー(50mm用)はお世辞にも見やすいとはいえない。ライツではレンズ交換用にいろいろな外付けファインダーを用意していた。中でも、後年(1950)に発売された ブリリアントブライトライン と呼ばれるファインダーはフレームがくっきりと見え、視界も大変クリアである。
変わったところではソ連製の超広角レンズ ルサール(20mm F5.6)を装着してみるのもおもしろい。塗りの黒ボディならなおさらだ。本来、広角レンズによる目測撮影はレンジファインダーのないモデルIcやIfが「粋」とされているが、このライカIII型はコンパクトなだけに専用の別ファインダーを併用する広角系レンズを付けてみても外観や操作性に違和感はない。
エルマー90mmF4の怪
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