ニコマートFTN
堅牢さと耐久性を誇る

Nikomat FTN
 1959年にニコンFが日本光学の最高級一眼レフとして発売された。以後、ニコンFはほとんどスペックの変更無しに十数年間、ロングランの販売を誇ったカメラである。その間ペンタプリズムの中にTTL露出計を組み込んだニコンフォトミックTが1965年に発売され、同じ年にニコマートFTがニコン初のTTL露出計内蔵の一眼レフとして発売された。
Nikon Fotomic  ニコンフォトミックはニコンFのペンタプリズムを露出計内蔵型プリズムに着脱式で交換したものである。従ってニコンFに比べると頭の部分が大きく、重量も増したためTTLカメラとしてはむしろニコマートの方に人気が集まった。ニコマートはニコンFのサブカメラとしても十分信頼できる性能と耐久性をもっており、2年後にニコマートFTNが発売されると、FTにも増して人気が上昇した。当時プロカメラマンが好んだブラックモデルも発売されている(写真)。
 このニコマートは、ライカや従来の高級機のようなボディ上部のシャッターダイアルを廃止し、レンズマウントの基部にシャッターダイアルをリング状に配置している。これはTTL露出計の特長を生かすための工夫であり、ファインダー内で適正露出の指針を追っかけるには従来のシャッターダイアルより操作のしやすいリング型にしたものである。このためボディ上部の右側には巻き上げレバーとシャッターボタンしかなく全体にすっきりとしたデザインに仕上がっている。FTNモデルになってファインダー内部にもシャッター速度が表示されるようになり露出合わせの操作性がより向上した。

 写真のニコマートFTNブラックは生まれてから30年以上になる。まだ現役で、装着レンズは買った当時のNikkor-HC Auto50mmF2がそのまゝついている。指や手の当たる部分のエナメルが剥がれて真鍮(しんちゅう)がむき出しになってしまった。写真で見る限りお世辞にも綺麗とは言えないが、よく使いこまれた道具の味が出ていてそれなりに美しいものである。
 ニコマートは今使っても、写真を写す上で何の不満もないマニュアルカメラである。シャープでカラーバランスのいゝ、信頼の一台である。10年以上前にオーバーホールに出した記憶はあるが頑丈で壊れないカメラだ。強いて不満を上げれば目方が少し重いこと、50mmF1.4付きで1,090グラム、F2付きで970グラムもある。



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