コンテッサネッテル・ピコレット


camera photo  写真のカメラは1915年頃に発売されたドイツ製ピコレットというカメラ。メーカーはドイツのコンテッサネッテル社。
 米国製のベストポケットコダック(VPK、1912年に発売)というカメラに改良を加えたようなカメラでVPKより数年遅れて発売された。その後1925年には国産のパーレット(六櫻社、現コニカ)も発売されている。

 この三つのカメラは矢来型のタスキが特徴で、ベスト判(127)と呼ばれるロールフィルムを使う小型蛇腹カメラである。使わないときはレンズボードをボディに押し込んでおくと携帯に大変便利である。画面サイズは4x6.5cmで一本で8枚の撮影ができる。フィルムの裏紙にある番号見ながらフィルムを巻く実用的な方式である。

 写真のピコレットはテッサー75mmF4.5という高級レンズの付いたモデルである。初期型なので焦点調節はできない。撮影距離は3メートルくらいに固定されている。ダイアルセットコンパーと呼ばれる有名なシャッターが付いていて、T、B、1,2,5,10,25,50,100,300秒のスピードが得られる。作られてから約75年にもなるがこのシャッターは今も正確に動作する。レンズの絞りはアイリス絞りと言われる綺麗な円形で、俗に大陸型と呼ばれる、F4.5、6.3、9、12、18、25の系列である。今の絞りの系列 F4、5.6、8、11、16、22より半絞りシフトした系列だと思えばよい。

 ファインダーは反射型のみでこのモデルにはまだフレーム(枠)ファインダーは付いていない。反射型ファインダーとは小さな対物用凸レンズ、鏡、スリガラスが一体になった一種の写像装置で、1〜2cm角のスリガラスの上に左右が逆の像が投影され、この像を上から見て構図を決めるウエストレベルのファインダーである。反射型ファインダーは像が小さくて見難く、明るい屋外での撮影はフードでも使わないかぎり殆ど見えず、フレーミングもあまり正確なものではない。実際に撮影してみると、最低でもフレームファインダーくらいは欲しくなる。



 アルミボディのブラックペイントはところどころ剥(は)がれてはいるが今見ても美しい光沢を放っている。大正時代にテッサー付きのこんなハンディなカメラをよく作ったものだ。メカは大変華奢(きゃしゃ)で、レンズボードも薄く簡単に手で曲がってしまう。


 しばらく飾っておいたが見ているうちに写してみたくなった。
 ベスト判(127)フィルムは現在何処でも買えるというものではないが、クロアチア(元ユーゴスラビア)製のISO100、ISO200のモノクロームなら入手可能である。友人からクロアチ製期限切れのフィルムをもらって写してみたが、画面全体に白いブツブツが酷く写真にならない。が、ピントはかなりシャープに合っている。スプール(軸)が残ったので、これにブローニーフィルム(120、今の中判フィルム)を
カットして巻き込み、写してみたら見事な写真が写っていた。
 F4.5、75mmのテッサーと固定焦点の組み合わせは、開放での撮影はかなり厳しいがF12くらいまで絞るとかなり広範囲にピントが合うので、気楽にスナップすることができる。ISO100フィルムでも屋外の撮影なら十分実用になる。

 撮影には127フィルムが必要だが入手難である。120ブローニーフィルムをカットして使う方法がオススメだ。


関連webサイト ピコレットを楽しむ


【作 例 1】  by Contessa Nettel Piccolette
 Tessar 75mm F4.5 f9 1/50 sec.
 ISO100 127 film made in Yugoslavia(expired 1992)

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