スーパーポンチュラ



camera photo  1938年(昭和13年)発売のこのカメラは、「バルダックス」でおなじみの戦前ドイツのBalda社の最高級機である。

   どこが変わっているか?

 珍品の部類にはいるこのカメラはよく知られたスーパーイコンタやベッサーなど当時人気のあったカメラと根本的に違っている点が1つある。それは蛇腹の開きが逆なのである。普通6x9cm判クラシック蛇腹カメラはカメラを正面からみて蛇腹が右に開くが、このカメラは逆の左に開く。

 ちなみに6x6cm判では上から下に開くのが普通である。この逆開きの利点はシャッターボタンを右手位置にもって来れることである。右手でシャッターが切れる6x9cm判蛇腹カメラは大変珍しいといえる。

 かねがね「右手シャッター」にこだわっていた私はこのカメラを手にしたとき念願が叶ったように思ったが、このポンチュラの焦点調節はレバー式になっているため指一本では無理で、この間のカメラホールドも悪く思ったほど扱い易いものではなかった。スーパーイコンタやベッサは左シャッターであるが、この辺の造りはよく考えられていて改めて感心させられた。たゞ右手でシャッターを切れゝばいゝという単純なものでもないことを痛感した。

 逆ガリレイ式ファインダーはピントに応じて斜めに動きパララックスを補正してくれる。このファインダーは645サイズと兼用のため6x9cmの視野に最初から645用の金属枠が2本あるので、覗くとあたかも牢屋の鉄格子の中から外を眺めている雰囲気である。

 またこのカメラにはレリーズケーブルの穴がどこにもなく、今ほどフィルム感度の高くなかった時代にスローシャッターに対する配慮はあってしかるべきなのだが。

 とはいえ、私はこのポンチュラが気に入っている。最短撮影距離が短いことやパララックスが自動補正されること、テッサー付きであることなどが主な理由である。50年前のカメラにしては軍艦部のデザインが「ナウ」いことも挙げられる。

 姉妹機に6x6cm判や6x4.5cm判の「バルダクセッテ」という人気モデルがあるが蛇腹の開きは一般のものと同じでシャッターボタンも左手と蛇腹クラカメとしてはスタンダードである。




スーパーポンチュラの仕様
メーカー 西ドイツ バルダ社
フィルム 120ブローニー8枚撮り、または6x4.5cm 16枚撮り
レンズ カールツァイス テッサー105mmF4.5コティング゙なし、
最小絞りF32
シャッター コンパー T、B、1〜1/250秒、3枚羽根 接点付
ピント調節 レバーによりレンズボード全体を前後させる方式で有効
基線長は55mm 上下像合致式で最短撮影距離は4フィート
ファインダー 二つ目、ビューファインダーは逆ガリレイ式でパララックス自動
補正。測距窓とファインダーが離れているため使いづらい
フィルム送り 赤窓式
大きさ 6x9cm判標準/重さ790g/鉄板ボディ


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