ローライフレックス
Rolleiflex 35C  名機ローライフレックスには数々のモデルがある。市場で人気があるのは1964年に発売された最終機28Fで完成度は最も高い(写真は1955年発売の35C)。

 ローライフレックス・オリジナルと呼ばれる二眼レフが誕生したのは1929年である。フィルム送りが赤窓式の6x6cm判二眼レフで、当時120フィルムの裏紙には6x6cm判という新しいサイズのフィルム番号が印刷されていなかったため、117というフィルムが採用された。しかし117は当時でもポピュラーなフィルムではなく、ユーザーにはフィルムの入手難という不便さがあり不評だった。
 1932年に120ブローニーが使えるスタンダード型が発売されてフィルム入手難は解消された。このカメラには、最初の1番だけを赤窓に出せば後はクランクによる自動ストップという巻き上げ方式が採用された。今のスタートマーク方式と同じ発想である。
 当初からフィルム送りに手を焼いていたメーカーのフランケ・ハイデッケ社は、1937年ついに画期的なローライフレックス・オートマットという二眼レフを完成させたのである。フィルムの装填がオートマットになり、赤窓やスタートマークを使わない自動装填が可能になったのである。装填は120フィルムのリーダー(紙の部分)を2本のローラーの間を通してから巻取りスプールに巻き込み、カメラの裏蓋を閉めてクランクがストップするまで巻いていくと自動的に1枚目がセットされて止まり、シャッターも同時にコッキングされる画期的な方法である。ブローニーフィルムの装填でこれほど便利で確実なものは他のカメラには見当たらない。1937年にこんな技術が完成していたこと自体が驚きである。以後のローライフレックスは殆どのモデルでこのオートマット方式が採用されている。このオートマットのクランクによるフィルムの巻上げは、殆ど抵抗を感じることがなく、本当にフィルムが巻かれているのか、あるいはフィルムが入っているのか不安に思うことすらあるくらいスムーズである。

 数あるローライフレックスの中で1953年に発売された28Cというモデルにスポットをあてゝみよう。この28Cは長いローライフレックスの歴史の中で始めて名玉プラナーやクセノターを装着したモデルとして有名である。これ以降ローライフレックスはこの二つのレンズが主流になり、1971年にプラナー付きが廃止され以後はクセノター付きのみとなる。
 レンズもさることながら絞りの形状に拘ってみると、28C以降のモデルは絞りの形状が5角形に変更されてしまった。28Cの大半は両レンズとも綺麗な円形アイリス絞りで高級レンズのボケ味を楽しむには最適のカメラといえる。28C以降のモデルにはライトバリューや露出計(セレン型)が内蔵され便利になったが、何十年かたった現在ではこれらの機能はあまり有り難いものではなくなった。使ってみるとライトバリューなどは余計なお世話のような気もする。

 28Cの発売された1953年といえばライカM3が発表される前年でドイツの精密工業がもっとも充実していた時代である。頑丈で、しかも操作したときのあの精密感は他の二眼レフでは味わえない何かを持っている。28Cは40年前のレンズとは思えないくらい発色も自然でよく写るカメラである。

Rolleiflex 35C  ローライフレックス35C(写真)
 35Cは1955年に発売された完成度の高いカメラである。撮影レンズはCarl Zeiss Tessar 75mm F3.5、ビューレンズはHeidosmat 75mm F2.8である(因みに、このTessarの絞りの形状は綺麗な円形である)。35Cのボディは28Cと殆ど同じでフードの着脱はまだできない。このモデルで初めてシャッターに新型のシンクロコンパーLVS(ライトバリューシステム)が採用された。LVSは絞りとシャッターをセットした後、シャッター速度を変えると絞りが自動的に変化して同じEV値を保持してくれる当時の新しいシャッター仕様である。このため、この新しいシャッターは速度目盛りが等間隔になり倍数系列が採用された。35Cの重さは1、010グラム。

Rolleiflex 35C Back table  カメラのバックには写真のような露光指数表が付けられ、これを参考にライトバリューの数値を合わせれば露出が決まるという寸法だ。使い方は、上の絵から近い被写体を探してEV値を求めることから始める。今仮に2、3人の人物撮影をするとして、どの絵が適当だろう。フィルム感度をASA100、シャッター速度を1/125秒にセットしたら、「二人の男が屋外で作業をしている絵」が近いとして下の表からEV13を知ることができる。天気と被写体までの距離によってEV値を±する必要もある。ここまではLVSには関係なく単なる簡易露出表である。
 絞りダイアイル(向かって右)を回すとシャッターダイアイル(左)の中心の指針が回転するので、これを周囲の数値(この場合は13)に合わせてやると、このときの露出F8がセットされる。このままシャッターを1/60秒に変えると絞りは自動的にF11になる。これがLVSの考え方である。絵は写真のように10種類あるが、自分の狙う被写体がどれに相当するか判断するには少し考えてしまう。フィルムの箱に印刷されている露出表の方が使いやすそうだ。
 LVSは当時の流行でいろんなカメラに新機能として採用された。しかし、特別にこれがあれば便利というものでもない。しばしば邪魔になることもある。

Rolleiflex Sports Finder  スポーツファインダー
 二眼レフのファインダーは上下は正像でも左右は逆像である。そのため動きのある被写体を追ったり、アイレベルでの撮影のために二眼レフには普通スポーツファインダーが用意されている。ピントフードを利用した透視式のファンダーが殆どであるが中にはオプチカルなものもある。
 1950年発売のオートマットIV型以降のモデルには、スポーツファインダー利用時にピント合わせができる機能が追加された。Rolleiflex Sports Finderピントフードの中のルーペを起こし(使わないが使用状態にする)、前面のパネルを内側に押し込んでやるとワンタッチでスポーツファインダーとピント機構が組み上がる。前面のパネルの内側にはミラーがあり、フード後部のアイピース(レンズ)と組み合わせてスクリーンを見ながらピントを合わせることができる。このときの像は上下も逆になる。目を少し上にずらすと透視ファインダーを覗くことができる。上部のルーペを少し下に押すとこの機構はやはりワンタッチで解除される。使いやすいスポーツファインダーである。図はRolleiflex Twin Lens Guide, Special edition by A Potographers Place から。

【作 例 1】
RolleiFlex 28C Xenotar F8 1/250 Fuji Reala
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