コダック シグネット 35



camera photo  1951〜58年に作られた純アメリカ製35mmカメラ。コダックの35mmのアメリカン・メイドにはこれより先に作られたコダック35RFがあるが、その後継機種と思われる。
 コダックの高級レンズ(3群4枚)はこの頃からエクターと呼ばれ、シャープネス、描写の豊かさで人気のあるレンズになった。エクターはまた、スピグラの標準レンズとしても広く知られている。シグネット35のエクターは 44mm F3.5 で数あるエクターレンズの中では短い方に属する。シャッターは Kodak Synchro 300 で、スピードはB、1/25〜1/300秒とコダック35RFカメラと変わりない。最小絞りはF22。シャッターは相変わらずボディリリースではなく、シャッターレバーを指を伸ばして押すタイプである。連動距離計は一眼式の二重像合致式に変わり、ピント合わせはレーバーによるヘリコイドになり前玉回転式から全群繰り出し式に進歩した。そのせいかどうか、最短撮影は2フィート(0.6メートル)まで寄ることができる。パララックスは補正されないので近距離の撮影には注意が必要だろう。ビューファインダーはガリレイ式で0.5倍見当の倍率がかゝっているが、明るく見やすい。二重像もクリアだ。
 シャッターはまだセルフコッキングになっていない。撮影と同時にシャッターリリースがロックされ二重写しを防止している。フィルム巻き上げと同時にこのロックは解除されるが、シャッターをセット(コッキング)しないかぎりシャッターリリースはできない。またコダック35RFでは実際にフィルムを装填しないとシャッターが切れなかった(空シャッター)が、このシグネット35ではこれを解除するためのノッチがボディ下部に設けられている。三脚を利用すれば二重露光の悪用(?)も可能である。
 ボディはプラスチックから軽合金になったわりには目方も軽くよりコンパクトになり、デザインも一新されている。ボディが金属になったのでシボの部分は合成皮張りとなり少し高級感が増したようだ。

camera photo  ボディの後には写真のような簡易露出表があり、ふたつのスライド板を動かしてフィルム感度と天候を合わせると絞りとシャッターの組み合わせが指示される。あれば便利な機能だ。フィルム感度は、KodaChrome(25),Pan-X(50),Plus-X(100) と Super-XX(200) のどれかに合わせる。

 当時のシグネット35の広告

 同じころ828フィルムを使う フラッシュバンタムというコンパクトカメラもあった。

【使用感】
 目方は510グラム。写真のようなルッキングだがホールドしやすくシャターリリースの操作性もよい。接点がコダック型なのでシンクロ撮影の際にアダプターをつけると、距離調節レバーが回し難くいのが難点。フィルムカウンターが逆算式なのでフィルムを入れたとき、何枚撮りかをちゃんとセットしないと残り数がわからなくなってしまう危険性がある。コンパクトなカメラで写りは優秀。




 コダックレンズ製造年の判別法
 最初の2文字(アルファベッド)は製造年の下二桁を示していて下の表のように対応している。


1 2 3 4 5 6 7 8 9 0
C A M E R O S I T Y

 この Kodak Ektar 44mm F3.5 はレンズ番号が RE 1233 である。最初の2文字は RE であり、表から54すなわち1954年製ということになる。




【作 例】
 by Kodak Signet35 / Ektar 44mmF3.5 f8 1/300 Fuji G400

sample photo



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