1938年に4x5モデルの機能、外観を落とすことなくそのまゝ小型になった2x3専用の「スピグラ」が発売された。ミニアチュア・スピードグラフィックである。この小型スピグラにはフォーカルプレーンによるフラッシュの同調機構やダブルフォーカシングノブなどの新機能が追加されていた。アオリ機能は4x5スピグラより後退してベッドダウンも左右のシフトもできなくなっている。しかし、黒とクロームの新しいデザインはそのまゝ次のアニバーサリーモデル(1940-46)に引き継がれている。 1938年デビューした頃のごく初期のモデルはファインダーが起立式であったが翌年から筒型のものに変更された。この年からすべての「スピグラ」にこの筒型ファインダーが採用されるようになった。レンズボードは2.5x2.5インチのモールド樹脂が使われている。 ミニアチュアスピードグラフィックは一連のスピードグラフィックの中でも最もコンパクトなフォーカルプレーン付きの2x3カメラである。アニバーサリーモデルの少し前に生産された、木製ボディのかわいらしいカメラである。造りは大変丁寧で、しかも堅牢で美しく、永いスピードグラフィックの歴史の中で、最も仕上げの完成された精密感のたゞようカメラである。
「スピグラ」のフォーカルプレーンのシャッターは6種類のバネと4つのアパーチャー(シャッター幕に開けられた四角い窓=スリット)の組み合わせによって24種類のマルチスピードが得られ、T、1/10〜1/1000秒の範囲で種々の速度を選択することができる。レンズボードの内にこれらの組合わせによるシャッタースピード表がリベットで止まっている。レンズは主にカールツァイスのテッサー105mm f4.5やコダックアナスチグマット f4.5が付けられていた。価格(1940)はテッサー付きで117ドル。 レンズボードは6.5cm角のモールド(プラスチック)である。また、ベッドはドロップできない。 バックはいわゆるグラフィックバックで、まだグラフロック・バックにはなっていない。後に、ペースメーカーの時代になって古いスピグラをグラフロック・バックに改造するための部品が発売された。この後部部品が運良く手に入ったため写真のモデルはグラフロック・バックに交換してある。グラフィック・バックの後部を取り外すと何とネジ穴まで共通で簡単に交換ができるようになっている。ピントも調整の必要は無く、そのまゝ現在のフィルムホルダーと付ければ6x7や6x9cmの写真が楽しめる。 写真のモデルはエクター101mmF4.5付きで、1946年(EO)製造のコーティングレンズが付いている。
関連サイト Speed Graphic(US) Yamasaki Optical ロムニーのカメラ修理マニュアル 【作 例】
| ||||||||||||||||||||||||||||