Super Graphic

引き継がれた Toyo Super Graphic(写真)



camera photo  スーパーグラフィックはいわゆる「スピグラ」の最終モデルである。発売は1958年。同じ頃、
ペースメーカーモデルはトップレンジファインダーと呼ばれる後期型に変身している。両機とも1970年代前半まで十数年間オーバーラップして販売されている。

 スーパーグラフィックになってボディは長い歴史のある木製から金属製に変更され、それまでグラフィックモデルの最大の特徴でもあったフォーカルプレーンシャッターが廃止された。シャッターレリーズは内蔵ソレノイドによる電気式が可能となり、カムの交換によって90〜380mmのレンズがレンジファインダーに連動する。
 アオリ機構にはスイングとダウンチルトが追加され、前アオリの機能は充実したものになった。またレボルビングバックが可能になったことで縦位置撮影も楽になりペースメーカーモデルでの不満はほゞ解消されたといってもいゝ。

 もうひとつ、スーパーグラフィックにはユニークな機能が追加されている。フラッシュコンピュータと呼ばれるシンクロ撮影時の自動計算機能である。ストロボやフラッシュバルブのガイドナンバーをセットしておけばレンジファンダーと連動して適正F値が自動的に得られるものである。この適正F値はボディトップの大きなダイアルの中に距離と共に表示される。ガイドナンバーは距離の関数なので距離計と連動させることによって面倒な計算の一部を自動化したものだ。
 ペースメーカーが広くプレスカメラとして君臨したのは、ひとつにはフラッシュシンクロの機能充実にあったと言われている。シンクロが容易になったとはいえガイドナンバーと距離、絞りの面倒な関係は当時のカメラマンの頭を悩ましたことは想像に難くない。一見無駄なようにも思える機能だが、フラッシュ撮影をしてみるとその便利さがよくわかる。GNニッコールというユニークなレンズを思い出す方も多いことだろう。

 1961年に発表された、「グラフェックス1000」というシャッターの付いたモデルをメーカーは特に「スーパースピード・グラフィック」と呼んでスーパーグラフィックと区別していた。両者の違いは単に取りつけられたレンズの違いだけである。レンズフードにその特徴があり簡単に見分けることができる。このフードは時計方向に回すとシャッターのコッキングができるユニークなものである。レンズシャッターでありながら1/1000秒を可能にした当時話題のレンズでもあった。発表されたレンズは少なく、オプター135mmF4.7付きのほかテレ−オプター270mmF6.5付きくらいが知られている。

 スーパーグラフィックのレンズは主に127mm F4.7エクターだが、135mmレンズとしてオプター F4.7、クセナー F4.7やジンマー F5.6なども供給されていた。また、標準以外のオプションレンズとしてワイドオプター90mmF6.3、テレオプター202mmF4.5、ロテラー270mmF5.6、テレオプター380mmF5.6などが販売されていた。この時代は別売レンズを買うと連動用のカムとインフィニティストップ(無限位置ストッパー)が付いてきた。ペースメーカー用のレンズも装着可能であるが、電気(ソレノイド)レリーズには連動しない。

 グラフレックス社は、内外の小型カメラの台頭から大型カメラの需要が落ちて経営が悪化し、晩年はゼネラルプレシジョンやシンガーの傘下に入ってグラフレックスXlなど種々のカメラの生産を続けたが及ばず、ついに83年続いたスチルカメラの歴史を閉じるこになった。1973年のことである。

 最終モデルのスーパーグラフィックは1979年6月、わが国の酒井特殊カメラ制作所により「トヨスーパーグラフィック」として蘇った。グラフレックス社からスーパーグラフィックの商標や当時のカメラ生産に必要な治工具類を買い取って生産が続けられたもので1985年ころまで生産された。スーパーグラフィックとの違いはネジ類がインチからミリに変更されたことゝ、アクセサリーシューが取り付けられたことくらいで外観やスペックには差がない。国内販売価格はボデイのみ298,000円であった。その後何回かごく少量がリバイバル生産され市場に出回ったことは記憶に新しい。(写真提供:酒井特殊カメラ製作所)

【スーパーグラの交換レンズ】
 市販されている大判用レンズは大変高価である。現在、最もコスト/パフォーマンスの優れているレンズは山崎光学研究所の コンゴーレンズシリーズである。このメーカーは大判レンズを作って70年というからレンズそのものへの拘りも普通ではない。性能の割に価格が安いのは流通機構を通さず直販に徹しているからだそうだ。400mmテレレンズも装着可能でシャープネス、色再現とも申し分ない。

【ビューファインダー】
 ロールホルダーを使うときのビューファインダーにはスポーツマスクを作っておくと便利である。

【手持ち撮影とシャッターレリーズ】
 少し工夫をするとカメラブレの少ない安定したシャッターレリーズができる。



スーパーグラフィックの仕様

カメラ高性能小型4x5カメラ
メーカー米国グラフレックス社
製造初年1958年
フィルム4x5シート、ポラフィルム他
ピント合わせベッドの左右ノブにより蛇腹が進退する
レンジファインダー二重像合致式
ファインダースポーツファインダー
レンズエクター 127mmF4.7 が標準
シャッターシンクロコンパーもしくはグラフェックス
撮影最短距離3.5フィート
発売時期スーパーグラフィック 1058 - 1973
スーパースピードグラフィック 1961 - 1970
重さの比較ペースメーカースピグラ 2.6kg
ペースメーカークラウン 2.4kg
スーパーグラフィク 2.4kg


関連サイト
Super-Graphic(US)
Yamasaki Optical
ロムニーのカメラ修理マニュアル
トヨビュー、トヨフィールドの(株)酒井特殊カメラ製作所


【作 例】  by Super Graphic
       Angulon 90mm F6.8 f16 1/250 T-Max100(4x5)

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