ベストポケットコダック(VPK)

 大正年間(1912年から15年間)に180万台も作られたというロールフィルムを使うポケットカメラのベストセラー機である。大正時代はロールフィルムを使うカメラの方が珍しかった。

 日本ではこれについている単玉レンズが特に重宝がられ「ベス単」として親しまれている。単玉と言っても単なる虫めがねレンズではなく1群2枚の立派な色消しレンズである。レンズの前についているフードを外すと球面収差が出て軟焦点レンズとして立派に機能するのである。
 このフードはレンズシェイド、というより絞りが必要以上に広がらないように制限する目的で付けられているもので、本来このカメラはフードを外さない限り開放でもF11くらいをキープしキリっとしたコントラストの高い像を結ぶ。
Camera Photo
Elements Picture  フードを外すと開放値でF6.8くらいになり球面収差がもろに出てくる。いわゆるソフト効果が得られ「ベス単フード外し」として古くから知られている。
 使用するフィルムは127(ベスト判、6.5x4cm)が12枚撮れる。かなり横長のサイズでこの半分のサイズを使うカメラをベスト半裁判カメラという。カメラ自体は相当年月が経っているため、そのまゝで撮影できるサンプルは少ない。フードを外してソフト効果をねらおうとすると、たちまちシャッタースピードの不足に悩まされることになる。付属のシャッターはB、T、1/25、1/50secの4速のみである。そこでベス単レンズのソフト効果を味わうにはレンズアセンブリー(シャッターごと)をカメラ本体から取り外し、現行の一眼レフなどに取り付けて撮影する方法が広く普及している。

 焦点距離は72mm前後なので標準画角としてはやゝ狭くポートレートなどに向いている。



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