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写真記・撮影事始写真記・episode/オヤ写真記・episode/ヒデ写真記・episode/チン
●最新のカメラは対象に向かってシャッターを切れば写るようだが、よりよい写真を撮るには努力を惜しんではならない。そして成果が見えてくるようになると、努力は苦痛でもなんでもなく楽しくなるのである。自ずと創作意欲が湧き、無意識にも探究心や知識欲が高揚し、創意と工夫をするようになるから不思議だ。夢中になるというやつだ。
●教わったり指示されるのではなく、自分の意思で作品ができる喜びは無限で、人生が楽しくなると言っても過言ではない。ここが物質による喜びとは大きく異なるところだ。精神的な喜びのない人は物質で自己を表現するが、それは単なる自己満足か見栄に他ならない。昨今それに疾走する人のなんと多いことか。
●喜びは大きいほど安易に実現しない、ハウツー書物をいくら読んでも実践しなければ意味がなく、また速効性はないから鍛練するしか手段はない。こうして人は成長する。
●趣味で写真を撮るのに、七面倒な理屈は不要と思うかも知れない。けれども創作する姿勢は写真撮影にかかわるだけではなく、人生に絶大な意義があると考えていい。これほど意義深いことを、余暇を利用して趣味で自由に作業できるなら幸せではないか。
●現実を目前にして感情や思考が巡る。そこに知識や経験、さらに個性が表面化して判断につながる。そして撮影行為となるのであるが、これらは無意識に働いているのである。
そこで確認したいのは過程で「あるがまま」を素直に見るのが基本ということだ。あらまし人は偏見を持っており、私自身もそうであるが素直に見ることができない傾向にある。ここは改めて純真な子どものような見方を心掛けたい。
●撮影は単純ではない。安易に撮っているように見えても瞬時に思考が働いているのである。そうした一端を経験則から列挙してみよう。
●野外で偶然猫に出会ったとする。警戒して逃げるようなら取急ぎ撮影する。失敗しても状況を踏まえ、次の段階の参考になるからだ。
逃げる様子がなく余裕があれば、背景や光線状態を考慮して視点と同時に構図を決める。そして仕草や表情を待つのである。期待に答えてくれる場合もあるし、そうでない場合もある。場合によっては声をかけるのもいいかも知れない。反応なければ諦めよう。
●撮影場所の設定
自宅の猫なら習性や好みの場所が分かっているから撮りやすい。指定席が何ケ所かあると思うが、事前に不要なものは取り除き、あるいは加えておくとよい。
これはかなり撮りやすい条件になるので、成功率が高くなる。設定するには、ごく自然にあるように作為を感じさせないことが大切だ。実はこれが最も難しいのだが、いわば知恵と造型感覚を発揮する場でもある。画家が静物画を描くときは、このようにして設定するのではないかと思う。
かように考えると小道具が重要な役割を担う。ここでは主役の猫が効果的な小道具を選び、配置と色彩を考慮したい。カラー撮影だからといって色を強調するのは感心しない。特に原色はキレイと言うが、幼児感覚のようで美しいとは思えない。縫いぐるみなどと組み合わせるのも同様だ。余談になるが近年感覚が幼児化しており、自分勝手な振舞いも見境ない幼児と同様だ。
設定して撮ると「やらせ」に思う向きがいるかも知れないが、奇を衒うことをしない限りそれは違う。むしろこうして絵(写真)を創作するべきだと思う。
主題を明確に
● 画面に対して猫が小さくしか写っていない場合があるが、先ずは画面いっぱいに大きく撮ることだ。はみ出すくらいの気持ちでいい。画面を占める割合いが大きければ、背景が複雑でも、同系色でも、比較的主題が強調される。
●情景描写
写真は主題だけではなく、背景や小道具、光線状態を含め、画面全体で表現される。こうした要素は主題を表現する役目をするから疎かにできない。不要なものがあれば避けたり、加えることも考えたい。
光線状態
●撮影に最も適した天候は快晴よりも陰が柔らかい薄日だ。明暗の差が適度で色彩も美しく再現できる。さらに光の方向を気にしないで、視点を自由に選ぶことができる。影が複雑だと主題が埋もれてしまう。逆光は輪郭の毛が美しく再現する。斜光線ではドラマチックに表現できる。
●屋外では自然光による撮影が理想的で、特に逆光で撮られた猫の毛はたいへん美しい。逆光や半逆光の場合は陰が暗くなるが、それを弱める程度に補助光を使うとなおよい。補助光は白い紙やハンカチーフを用いてレフレクター代わりにするが、ストロボも同様の効果がある。
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