| - はじめての鰹 - | |||
| 海のないここでは、お刺身はささやかに登場する。それを人間とボクたちで分け合う。 おばあちゃん猫は、いつも二、三切れのお刺身をもらっている。 でも、ボクたちはお腹をこわすといけないからと一切れだったりする。 まだまだ赤ちゃんだと思われている。 だから尾頭付きの魚は”しらす”だったりする。 ボクたちはしっかりとした歯と爪を持っているんだ! じゃれ合っているのは遊びではない、猟の練習だ。 人間も仲間に入れてあげると、痛〜いと、キャッキャッいいながら逃げていく。 ボクたちは強いのだ。 なのに、赤ちゃんじゃないという事に人間は気がつかない。 突然現われた巨大な魚。 はじめて見るけれど、ボクたちは知っている。 においで知っている、本能で知っている。お刺身だ! さあ、漁猟だ、練習の成果を見せるはずだったのに…… ペロッと舐めたら、人間の声がして、鰹は飛んでってしまった。 |
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写真・文 栗村恵美
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