- 珍客アオサギ -
この家に妹猫と貰われて二度目の冬を迎えた。妹は7匹兄弟の末っ子で、みそっかすで、いつも私が守っていた。母さん猫のかわりに、お尻もなめてあげた。
妹は甘えん坊で、恐がりなので遠出をせずに、一日のほとんどを庭で過ごす。だから私は妹のぶんまでパトロールを怠らない。時には雄猫とケンカになり、噛み付かれたりもする。
雪が積もると、パトロールも思うようにならない。そんな時、突然アイツは舞い降りた。
すばしっこいやつで、ちょっとでも動けば、大きな羽を広げて飛び立ってしまう。
水は苦手、池の向こう側には行きたくないけれど、毎日のようにやって来るアイツには、負けられない。
でも、こんな匂いは初めてである。
必ず木の上から一瞥して、気持ちよさそうに去って行くアイツに、少しでも高く近づきたい。
妹は頭を小刻みに振って”カッ、カッ、カッ”と鳴き始め、緊張のため雪囲いから出て来ない。
妹は、毎回同じ行動を繰り返す。
なのにアイツの姿が消えると、あっさり家に帰えろうと誘う。私は気になって、何度も振り返ってしまう。
家に戻ると庭での出来事をすっかり忘れてしまう妹。
寒さが厳しくても、私は夜もパトロールを欠かさないことにした。
もしかしたら暗闇にアイツが潜んでいるかもしれないから。
写真・文 栗村恵美
8/8
雪大好き猫
-
1
・
2
・
3
・
4
・
5
・
6
・
7
・
8
-